カテゴリー
マナボール

マナボール2020年3月号「須藤大輔のすっどい言葉」

12月号でサッカーの4つの曲面の①攻撃についてをお話させていただきましたが今回は②攻撃から守備への瞬間 についてお話をさせていただきたいと思います。

②攻撃から守備への瞬間
サッカー用語で『ネガティブトランジション』とも言います。
「ボールを奪われそうだなと考えながらプレーし、素早く切り替え、ポジションを取ること」
です。
言葉通りですが、試合を通してこの思考でどれだけの選手がプレーしているのか?
ピッチの外から見ていると明らかにプレー、判断スピードが違うことを感じます。
小学生年代の試合でできているのは1、2人くらいでしょうか⁈

勿論サッカーは点を取らないと勝てないスポーツですので自分がボールを持っている(ON)選手は勿論ゴールからの逆算でプレーします。
ON側の周りの選手も然り、ゴールに直結するプレーを最優先に考え、どうやってゴールを奪うかを考えているはずです!
しかし、もし今ボールを奪われたら!!!
と考えて、その瞬間に何をするか、何をしなければならないのかを判断しプレーしている選手がどれだけいるでしょうか?
そんなに多くはいないはずです。
ということはこのプレーができる選手は明らかに試合の中でも目立つ存在だと思います。

ここで誤解してはいけないのは、奪われたらどうしよう、などという消極的なネガティブ思考でプレーして欲しいということでは全くありません!
ゴールをするために何をしようかを考えながらも、頭の片隅に奪われた瞬間のことも想定しながらプレー、ポジション取りをして欲しいということです。

例えばドリブルで相手に対してチャレンジし、ボールを奪われた。
ではこの後どうするのか?
ボールを奪われたことに対して項垂れプレーを止めてしまうのか、すぐさま切り替えボールを奪い返しに行くのか!
これはドリブルを仕掛けた選手もですが、周りの見方選手全員も同じ意識を持ってプレーしなければ全く意味がありません。
まずはボールから1番近い選手がどんなプレーをするのか!
奪いに行くのか、相手のカウンターを遅らすのか、又は逆サイドに振られるのを防ぐためにワンサイドカットで狭い局面に追いやるのか。状況によって選択するプレーは多々あります。
奪われた瞬間に何をするのか、しなければいけないのかを、いつでもどこでもどんな状況でも考えながらプレーできるかどうか!

ボールがどのように展開されるのかを予測しながらポジションを変え、先を見据えてプレーできるか。
このプレーが出来るか出来ないかで、この後の試合展開が全く違うものになるのは明らかです!
それだけこの一瞬のトランジション「切り替え」は大事なファクターとなっています。

よく『頭の良い選手』というフレーズを耳にしますが、次に起こるプレー、ゲーム展開がどうなるかを予測しプレーする、思考する、ポジションを取り続けることができる。
そんな選手のことを言います!

ゲームの先を見据えた、このネガティブトランジションを素早く的確にできるかどうかが、その選手のサッカーIQの高さを象徴する、正に『頭の良い選手』とはっきりと言えるでしょう!

そんな選手が多いチームは試合のリズムを手繰り寄せ、自分達で試合をコントロール出来るようになり、勿論勝利を手にする確率が高い戦いが出来ること必至です。

技術の部分でのトレーニングに多くの時間を割いているRouteトレーニングメソッドですが、このトランジションの部分にも問い掛けていますので、『頭の良い技術のある選手』になっていただけるようにこれからも指導させていただきたいと思います。